全曲試聴可！(MP3)
関 連 情 報
クロイツェル
ヴァイオリンのための42の練習曲
エチュード
KREUTZER
42 Etudes ou Caprices
ブックレットに全42曲のアドヴァイスつき！
ヴァイオリン ： 島根 恵
ヴァイオリン使用楽器：Marcello Ive [Stradivari model] 2003
コジマ録音 / ALCD-9144,9145
\3,400(税抜)
Disc 1
[1] 第１番 イ短調
No.1 in A minor
[2] 第２番 ハ長調
No.2 in C major
[3] 第３番 ハ長調
No.3 in C major
[4] 第４番 ハ長調
No.4 in C major
[5] 第５番 変ホ長調
No.5 in E-flat major
[6] 第６番 ハ長調
No.6 in C major
[7] 第７番 ニ長調
No.7 in D major
[8] 第８番 ホ長調
No.8 in E major
[9] 第９番 ヘ長調
No.9 in F major
[10] 第１０番 ト長調
No.10 in G major
[11] 第１１番 ホ長調
No.11 in E major
[12] 第１２番 イ短調
No.12 in A minor
[13] 第１３番 イ長調
No.13 in A major
[14] 第１４番 イ長調
No.14 in A major
[15] 第１５番 変ロ長調
No.15 in B-flat major
[16] 第１６番 ニ長調
No.16 in D major
[17] 第１７番 変ロ長調
No.17 in B-flat major
[18] 第１８番 ト長調
No.18 in G major
[19] 第１９番 ニ長調
No.19 in D major
[20] 第２０番 イ長調
No.20 in A major
[21] 第２１番 ロ短調
No.21 in B-flat minor
[22] 第２２番 変イ長調
No.22 in A-flat major
[23] 第２３番 変ロ長調
No.23 in B-flat major
[24] 第２４番 ト短調
No.24 in G minor
[25] 第２５番 ト長調
No.25 in G major
[26] 第２６番 変ホ長調
No.26 in E-flat major
Disc 2
[1] 第２７番 ニ短調
No.27 in D minor
[2] 第２８番 ホ短調
No.28 in E minor
[3] 第２９番 ニ長調
No.29 in D major
[4] 第３０番 変ロ長調
No.30 in B-flat major
[5] 第３１番 ハ短調
No.31 in C minor
[6] 第３２番 ヘ長調
No.32 in F major
[7] 第３３番 ヘ長調
No.33 in F major
[8] 第３４番 ニ長調
No.34 in D minor
[9] 第３５番 変ホ長調
No.35 in E-flat major
[10] 第３６番 ホ短調
No.36 in E minor
[11] 第３７番 ヘ短調
No.37 in F minor
[12] 第３８番 ニ長調
No.38 in D major
[13] 第３９番 イ長調
No.39 in A major
[14] 第４０番 変ロ長調
No.40 in B-flat major
[15] 第４１番 ヘ長調
No.41 in F major
[16] 第４２番 ニ短調
No.42 in D minor
推薦のことば
ロドルフ・クロイツェルが残した42曲という膨大なエチュードを、島根さんは一気に録音するという快挙を成し遂げた。
このエチュードの特徴は、比較的初歩の技術からかなり水準の高い技術までを1冊にまとめあげていることだ。そして、ヴァイオリンを学ぶうえで誰もが通過しなければならない重要な曲集とも云われている。
また、この42曲は、1曲ごとに全く異なる技術の習得を目的として書かれているのだが、島根さんはそれぞれの特殊性をはっきりと表現していて実に素晴らしい。それに、ヴァイオリン奏法として最も理想的な美しく輝く音色で全曲を弾きこなしており、見事な出来映えである。
きっとこの録音はヴァイオリンを学ぶ若い人達にとって立派なお手本となるに違いない。
尚、近年ドイツで出版されたUrtext（原典版）では、第1番と第12番が最後の41、42に位置していることを付け加えておきたい。
ヴァイオリニスト
東京音楽大学客員教授
海野 義雄
（前略）島根恵が、いつもの真摯さ、完全さをもって奏でる練習曲の数々からは、ある”根源的美感”が伝わってきて快い。彼女による「演奏者への手引き」といった解説もついており、学習者へのお手本として、益するところは大であろう。
濱田 滋郎
（前略）１７９６年にパリで出版された《練習曲または奇想曲》作品20は、そんな教育者としてのクロイツェルの名を今日まで伝える教則本だ。全42曲からなり、1曲ごとに異なる技術の習得が意図されている。たとえば第1番は滑らかなボウイングで旋律をよく歌う練習、第2番は分散和音と音階の練習、第3番はポジション移動、第4番は一弓スタッカートの練習というように。第32番以降になると重音奏法が頻出してかなり難しい。島根は瑞々しい音色でそれらの一つ一つを丁寧にこなすと同時に、とても音楽的に演奏している。（中略）ライナーノーツに彼女の自身のワン・ポイント・アドヴァイスがついている。教育者として十分なキャリアを持つ人らしくとても分かりやすい。
那須田 勉
注目 ヴァイオリンを習った人なら、『クロイツェル』という言葉でベートーヴェンの有名なソナタを思い出すだけでなく、教師の叱責の声とともに「クロイツェルのエチュード」と悪戦苦闘した悪夢のようなレッスンを思い出すに違いない。このＣＤは、そんな悩めるヴァイオリニストの卵達にとって大きな福音となるだろう。クロイツェルのエチュードは技術の目的別の習得を目指すシェフチックの教則本とは違い、練習曲を弾きこなしていく中で基礎的な技術を身につけさせると同時に、技法と表現との関係を理解させようという教材である。1曲ごとにわかり易くテーマを解説したこの演奏は、技法と表現の関係を把握する上でも大きな効果を挙げることだろう。
佐藤 康則
ヴァイオリン学習者にとっては周知の「練習曲」の意義ある録音。1番から42番まで42曲ある。単なる”見本演奏”とは異なり、テクニックのみならず、いかに”音楽的な“曲として成り立たせるかが精細に伝わってくる。一曲ごとに演奏者自らの”ワンポイント・アドバイス”が付けられた気配りも嬉しい。
齋藤 弘美
ぶらあぼ
2015年3月号 『New Release Selection』より
ヴァイオリン学習者ならば、一度はお世話になった経験があるはずの「クロイツェルの教本」。島根が繊細なアーティキュレーション遣いで陰影豊かに奏すると、あたかも無伴奏の佳品の趣きすら帯びてくる。しかも、彼女は曲ごとに違った色彩を与え、聴き手を全く退屈させることなく、全４２曲を弾き切ってみせる。ブックレットに収録された、学習者への助言は短いながらも的確で親切。教育の中で大きなウェイトを負いつつも、演奏史上は軽視されがちな作品に温かな眼差しと真摯な姿勢で対峙し、現代的かつ的確なアプローチで光を当て続ける島根の活動。大いに評価されるべきだ。
寺西 肇
ライナー・ノートより
クロイツェルは、シンプルな音形の中に浮かび上がる色彩に富んだハーモニーの移り変わりにこそ、その鋭敏な感性で心を込めて作曲したのではないかと思うのです。ですから、どの曲にもクロイツェルの紳士的で控えめな、そして時には毅然とした豊かな情感が込められているように感じられます。
演奏家にとって一番大切なことは、聴衆に作曲者の心を、自身の真心と熱意をもって伝えることだと私は思います。数あるクラシックの作品に触れたとき、それぞれの曲に込められた心情を様々な方法で演奏・表現できるようになるための練習と思って、このCDを聴き込んで、豊かな音のイメージ世界を心の中に築き、その実現に向かって弾き込んでください。
島根恵